研究実績の概要 |
紫斑病性腎炎の病態の理解には, IgA沈着を呈する各種腎炎の病態理解が重要である。IgA沈着を伴った膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN), ループス腎炎(LN)に関して臨床病理学的検討を行った。 ・小児期発症重症ネフローゼ症候群合併LNの発症および増悪進展に関する免疫担当細胞の役割, それらに対する免疫調整薬による治療効果の評価を行った。 活動性LNに対するミゾリビン(MZR)・タクロリムス(TAC)併用療法の有効性に関して, 口演発表と論文発表を行った。(大原信一郎, 他. 日本小児腎不全学会, 日本小児リウマチ学会. 2016)(大原信一郎, 他. 日本小児腎不全学会雑誌. 2017) ・MPGNは病理組織学的概念であり, 一次性MPGN、MPGNパターンを示す感染後糸球体腎炎, IgA腎症, 免疫グロブリン関連糸球体沈着症, ループス腎炎やその他の二次性糸球体腎炎の鑑別を要する。糸球体へのC1q強沈着, 免疫グロブリン沈着の病態への関与について考察した。以上について, 口演発表を行った。(大原信一郎, 他. 日本腎臓学会東部学術大会. 2016) ・先天性腎尿路異常(CAKUT)は, 小児期慢性腎臓病や末期腎不全の原因疾患として重要である。中でも後部尿道弁(PUV)は, 膀胱尿管逆流症(VUR), 低形成・異形成腎, 膀胱機能異常など尿路疾患の合併が多く, 腎尿路疾患の評価と腎予後予測が重要であることを明らかにした。以上に関して論文発表を行った。(大原信一郎, 他. 日本小児腎不全学会雑誌. 2016)
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