紫斑病性腎炎(HSPN)の発症進展には、IgA腎症と同様に糖鎖不全IgA1の関与が示唆されている。HSPNに関する疫学的臨床的および病理組織学的検討を行い、紫斑病性腎炎の臨床像とその発症病態を明らかにすることを目的とした。発症および増悪進展に関する免疫担当細胞の役割、それらに対する免疫調整薬の治療効果の評価を行った。抗原刺激により活性化されたT細胞やB細胞により産生されたIgA1糖鎖不全免疫複合体が糸球体に沈着し、糸球体障害を進展することが推察された。腎障害進展を制御するために、これらの免疫応答を制御することが必要であり、ステロイド薬や免疫調整薬の併用が重要であることが示唆された。
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