研究課題/領域番号 |
15K19625
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
辻本 弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (80726703)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 血球貪食症候群 / HMGB1 / 遺伝子多型解析 |
研究実績の概要 |
血球貪食症候群(HPS)は免疫応答調節機構の破綻により過剰に活性化したT細胞や単球・組織球が高サイトカイン血症を来し、時に中枢神経障害や播種性血管内凝固症候群等の重症合併所を呈する病態で、さらなる病態解明が必要である。一方で、感染症や外傷などの侵襲に対する生体反応機構において様々な障害関連分子パターン(DAMPs)による経路が注目されており、中でもHMGB-1は重要なタンパクである。これは生体に強い炎症反応、免疫応答を引き起こし、多くの疾患の病態に関与することが報告されている。本研究では、小児におけるHPSにおいてHMGB-1が関与していることを証明し、本病態における新規治療の開発を目的とする。 当科で経験したHPS症例の血漿/血清中のHMGB-1を測定した。また2015年に当科で入院・治療を行ったHPS症例の末梢血(血漿/血清)および骨髄検体を得た。これらの検体から新たにHMGB-1値の測定を行う。加えて、これまでのHPS症例の保存組織検体(骨髄クロット標本、肝組織、リンパ節組織)と合わせ免疫染色を行い、単球/マクロファージのHMGB-1産生を免疫組織学的に証明する。2016年度はさらなる症例・検体の獲得と、HMGB-1値と各症例の臨床データ及び臨床症状との関連について統計学的解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2015年度1年間での新規検体の獲得が想定よりも少数であった。本年度はさらなる症例の蓄積、検体の獲得と、過去の保存検体のデータから統計学的解析を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度も検体の採取を継続し、測定結果と臨床データとの関連、採取組織検体の免疫組織学的検討を進める。これらの解析と並行して、小児HPS患者群とコントロール群間におけるHMGB-1遺伝子多型頻度の差異を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していたマイクロプレートリーダーが、他の助成金での購入で賄われたため、本助成金からの支出が不要となった。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の通り、マイクロプレートリーダーの購入が不要となったが、この分を免疫組織染色に必要な抗体、遺伝子シークエンスに必要な検査試薬の購入に充てる予定である。
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