本研究では、①T細胞性急性リンパ性白血病(T-ALL)の患者の白血病細胞に新たに見出した新規のABL1融合遺伝子(UBAP2L-ABL1)をRNAシークエンスという遺伝子解析技術によって同定し、②UBAP2L-ABL1の増幅、を行った。ABL1遺伝子は慢性骨髄性白血病においてBCR-ABL1融合遺伝子を形成し、恒常的なチロキシンキナーゼ活性をもち強力に細胞増殖を促進し白血病化に関わっている。 今後は、現在培養中のマウス細胞株にUBAP2L-ABL1を導入し機能解析を行い、UBAP2L-ABL1によるT-ALL発症機序を解明する。それによってチロシンキナーゼ阻害薬による治療に結びつく可能性がある。
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