研究課題/領域番号 |
15K19640
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
青松 友槻 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10465619)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 治療薬物モニタリング / インフリキシマブ / 小児 / クローン病 |
研究実績の概要 |
現在、インフリキシマブで維持療法中のクローン病患児11人から採取した33検体のインフ リキシマブのトラフ濃度と抗インフリキシマブ抗体の測定が完了しており、予備解析を行った状態である。インフリキシマブのトラフ濃度は、臨床的活動群より臨床的寛解群で高い傾向があり、インフリキシマブのトラフ濃度が陰性である確率は、抗インフリキシマブ抗体陽性群で高い傾向があった。また、抗インフリキシマブ抗体の陽性率は、免疫調節薬を併用している群で低い傾向があった。インフリキシマブのトラフ濃度は血液所見(CRP、赤沈、アルブミン)や臨床的活動性と関連性を認めたが、抗インフリキシマブ抗体とは直接的な関連性はみられなかった点は成人領域からの報告と異なる点である。インフリキシマブのトラフ濃度や抗インフリキシマブ抗体濃度の動向は概ね成人と同様の傾向があると考えられる。ただし、インフリキシマブのトラフ濃度と抗インフリキシマブ抗体の間に直接的な関連性はみられなかったので、小児では薬物動態や疾患特性など他の要因もインフリキシマブの効果に対する影響が大きいことが示唆された。以上より、小児のインフリキシマブ治療でも治療薬物モニタリングが治療方針の決定に有用かもしれないと考えらる。免疫調節薬の併用の功罪は今後も引き続き検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間で100~150検体を目標としている。予備解析の時点より、インフリキシマブが開始となる患者は増加しており、研究の進行状況は概ね順調と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き検体を収集して研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究開始時、研究室にストックされていた試薬があったため、予定より試薬代を抑えることができた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度から採取する検体が増えることが予想され、繰り越した研究費も使って研究を進める予定である。
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