インフリキシマブのトラフ濃度は疾患活動群で低い傾向が認められた。インフリキシマブのトラフ濃度は、抗TNF-α抗体製剤の有効性と関連していることが示唆された。ただし、インフリキシマブのトラフ濃度が高いにも関わらず疾患活動性が高い症例が一定数みられ、このような症例では抗TNF-α抗体製剤以外の治療への変更などが治療戦略として有効である可能性があり、今後の研究課題と考えらえた。抗インフリキシマブ抗体濃度は、有意差はでなかったが、効果減弱例で陽性率が高い傾向がみられた(p=0.09)。症例数を増やして検討を継続する必要があると考えられた。また、免疫調節薬併用例で抗インフリキシマブ抗体の陽性率が低い傾向がみられた(p-0.09)。この点についても症例数を増やして再検討が必要と考えられた。以上より、血中インフリキシマブ濃度と抗インフリキシマブ抗体濃度の測定は、小児でも個々の患者に適した治療戦略を立てる、いわゆるオーダーメイド治療の一助になることが示唆された。
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