潰瘍性大腸炎に対する糞便移植については、2017年度末までに合計9例に対して実施した。比較的軽症の患者で早期に移植した場合は良好な結果が得られた。しかし、糞便移植を希望する患者の多くは、複数の内科的治療を尽くしても治療が奏功せず、外科的大腸全摘術を回避する目的であり、その場合の治療成績は不十分だった。 糞便移植の治療成績は、小児潰瘍性大腸炎の1例に対し、反復して糞便移植を行ったことの有効性をPediatrics International誌に報告した。また、2016年にはカナダで開催されたWCPGHANで5例に対する成績を報告した。便処理法の研究成果は2017年に米国のAIBDで報告した。
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