研究課題/領域番号 |
15K19661
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
長谷川 龍志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80438217)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 早産児 / 低出生体重児 / 拡散テンソル画像 / トラクトグラフィー / 脳梁 |
研究実績の概要 |
当院NICUに入院した早産児において、NICU退院前(受胎後37~41週)の頭部MRI・拡散テンソル画像(diffusion tensor imaging; DTI)とNICU退院後の神経学的予後との関連を検討している。 2004~2010年に出生した早産児のうち、NICU退院前、1歳時に頭部MRIを撮像し、3歳時に発達検査を施行された8名を対象に、拡散パラメーターと神経学的予後との関連を解析した。NICU退院前での脳梁膨大部の拡散異方性(fractional anisotropy; FA)は出生週数が早いほど低下していたが、1歳時にはcatch-upしていた。また、脳梁膨大部のFAと発達検査での発達指数との有意な関連性は見いだせなかった。 また、2004~2008年に出生した早産児のうち脳室周囲白質軟化症(PVL)を発症した児の頭部MRI・DTI画像解析を行った。小脳脚のFA低下が運動障害の程度に影響するデータを見出した。そのデータを基に現在論文作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データの蓄積は、NICU退院前MRI撮像は14名、3歳時の発達検査施行が7名と想定した症例数を下回っているが、データの上積みはできている。
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今後の研究の推進方策 |
症例の蓄積に関しては、対象症例に対して発達検査を漏れなく行うことで対応していく。 それ以外については、以下のように現行の計画通りに進めていく。 1)対象データの収集: 京都府立医科大学附属病院NICUに入院し、退院前(受胎後37~41週)のルーチンに撮影されている頭部MRI検査に同意していただき、更に当大学倫理委員会の承認を得た同意書に署名を頂いた患者を対象とする。 2)拡散パラメーターの解析: DTI, トラクトグラフィーを用いて、中枢神経白質の解析をデータを得られたものから順次進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会の開催地までの距離が近距離であり参加に要する旅費が安価で済んだ。また、論文作成における英文校正などに要するべき金額が余った。
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次年度使用額の使用計画 |
関連学会への参加。論文作成に必要な画像ソフトの購入、英文校正費用に使用する予定。
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