研究実績の概要 |
当院NICUに入院した早産児において、NICU退院前(受胎後37-41週)に撮像した頭部MRI・拡散テンソル画像(diffusion tensor imaging; DTI)とNICU退院後の神経学的予後との関連を検討している。 早産児のうち痙性両麻痺もしくは四肢麻痺を発症した児では、NICU退院前という麻痺出現前の頭部DTIで、感覚路・上小脳脚の拡散異方性(fractional anisotropy;FA)が低下していることが示された。また、中小脳脚のFAが低下している早産児ほど脳性麻痺の重症度が上がる、というデータが得られた。その結果を論文化し、下記のようにBrain and Developmentに発表された。 Hasegawa T, et al. Cerebellar peduncle injury predicts motor impairments in preterm infants: A quantitative tractography study at term-equivalent age. Brain Dev 2018; 40: 743-752. また、以前に早産児において軽症脳室内出血が上小脳脚を障害することについてDTIを用いて証明したが、軽症脳室内出血、上小脳脚への影響、将来的な神経学的予後との関係性について解析を行っている。在胎28週未満出生の超早産児では軽症脳室内出血が3歳時の運動・姿勢発達に影響を与える結果が示せている。この結果について論文化の予定である。
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