臍帯異常におけるFetal thrombotic vasculopathy(FTV)の頻度が高いことを明らかすることを目的とした。重症発育不全児の胎盤を臍帯付着部異常、単一臍帯動脈(SUA)、過捻転の有無がFTV所見と関連するか後方視的に検討した。対象78例のうち、臍帯異常31例(過捻転19例、辺縁付着7例、卵膜付着6例、SUA3例; 重複有)と異常のない47例において、死産の頻度は38.7%と10.6%(p<0.01)、FTVの所見は60%と33.3%と臍帯異常を認めた症例に多くみられた。臍帯異常症例にFTVの所見が多い傾向から、慢性的な循環障害が起こりやすいと考えられた。
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