制御性T細胞(Treg)は免疫自己寛容に重要な役割を果たすTリンパ球で、マスター転写因子はFoxp3である。Foxp3遺伝子変異によってTregが欠損すると、マウスではScurfyマウス、ヒトではIPEX症候群という重篤な全身性自己免疫疾患が生じる。本研究では、Tregが欠損することで、表皮基底膜部に対する自己抗体が産生されることが明らかとなった。また、その自己抗体は、ScurfyマウスおよびIPEX症候群患者いずれにおいても、水疱性類天疱瘡抗原であるBP230と17型コラーゲンを標的としていた。以上より、Treg欠損は水疱性類天疱瘡の発症誘因となっている可能性が示唆された。
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