研究課題/領域番号 |
15K19677
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
伊沢 久未 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80708313)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ペア型レセプター / 好塩基球 / CD300 |
研究実績の概要 |
LMIR/CD300はミエロイド系細胞に発現するペア型免疫受容体である。LMIR3/CD300fは抑制型受容体であり、脂質セラミドと結合してIgEと抗原によるマスト細胞の活性化を抑えることをすでに証明している。好塩基球に発現するLMIR3とセラミドの結合が好塩基球のエフェクター機能や免疫調節機能(Th2型アレルギーの誘導など)をどのように制御するかを明らかにすることを目的としている。 まず、CD300fはヒトにおいても保存されており、ヒト末梢血好塩基球において発現を確認したところ、高い発現が認められた。現在、ヒト末梢血好塩基球を用いたin vitroの実験を行っている。ヒトCD300fはセラミドとスフィンゴミエリンを認識することをすでに報告しているため、好塩基球においてもマスト細胞同様かを現在検討している。 また、マウスにおいてもin vitroでマウス骨髄より誘導した好塩基球において高い発現が認められている。脂質セラミドとLMIR3の結合が好塩基球やミエロイド系樹状細胞の機能(特に、好塩基球のエフェクター細胞としての機能や好塩基球・樹状細胞の抗原提示細胞としての機能)を制御するかをin vitroで検討している。さらに、LMIR3と脂質セラミドの結合による(好塩基球や樹状細胞における)活性化シグナル制御機序の解明に取り組み、LMIR3と(刺激に対する)受容体及び下流のシグナル伝達分子の局在・リン酸化レベルの変化を明らかにするための実験を行っている。また、好塩基球が関与するとされる様々なマウスアレルギー・炎症疾患モデル(IgE-CAI・IgGが関与するアナフィラキシー・Th2型アレルギーなど)を用いてCD300fの関与を現在検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この若手B採用時に東京大学医科学研究所細胞療法分野から順天堂大学アトピー疾患予定研究センターに所属が移りました。移転や動物舎の立ち上げに伴う様々な要因により当初より実験が遅れております。現在順天堂の新しい動物舎に、クリーニング後のマウスを入れていただき、今年度は実験を行える予定です。
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今後の研究の推進方策 |
Mas-TRECK、Bas-TRECK、CD11c-DTR Tgマウス及びKitWsh/WshマウスとLMIR3-/-を交配し、LMIR3-/-Mas-TRECK、LMIR3-/-Bas-TRECK、LMIR3-/-CD11c-DTR Tgマウス及びLMIR3-/-KitWsh/Wshマウスを作成する予定である。LMIR3-/-4getマウスも活用して各疾患モデルにおけるLMIR3の寄与を明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年3月までの、所属先であった東京大学医科学研究所から順天堂への移動、またアトピー疾患研究センターの順天堂内での引っ越しに伴い、実験が当初予定よりはかどらなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
移動も完全に終わり、今年度はマウス実験なども順調に進行すると思われます。 マウス実験などに伴う必要な試薬を購入予定です。
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