研究課題/領域番号 |
15K19679
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤本 篤 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10571937)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ケラチン71 / 縮毛症 / 毛髪 |
研究実績の概要 |
毛髪分化のメカニズムは未知の部分が大きい。縮毛症は毛髪奇形の一つであり、毛髪の分化異常がその原因として考えられている。本研究では、縮毛症を呈するマウスから得たkaratin71 (Krt71) の新規変異をもとに、変異が毛包の形態、機能に及ぼす影響を詳細に解析することを目的としている。平成27年度は、Krt71遺伝子の上記変異(c.1117_1123del7ins10 (p.L373_T375delinsSLLS))について、変異により生じる毛髪の形態変化を走査型電子顕微鏡で解析した。また、同マウスより皮膚を採取し、keratin71に対する抗体を用いた免疫組織化学染色法で毛包におけるkeratin71の発現パターンを詳細に解析した。現在、同変異をクローニングし、発現ベクター (pCXN2) を用いてHaCaT (human keratinocyte) 細胞および Ptk2 (kangaroo rat kidney epithelial) 細胞に導入し発現させて、変異型のkeratin71が、それぞれの細胞の内在性のタイプIケラチンである keratin 14、keratin 18 との相互作用に及ぼす影響について、蛍光二重染色法で解析を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では、変異型のkeratin71がケラチン中間径フィラメントの形成に及ぼす影響について、培養細胞を用いた蛍光二重染色法で解析結果を得る予定であった。この点からも計画通りにおおむね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
ヒトのKRT71遺伝子のプロモーター領域をpGL4.12ベクターにクローニングする。毛包内毛根鞘に発現している様々な転写因子をpCXN2ベクターにクローニングする。それらをHEK293T (human embryonic kidney) 細胞、HeLa (human cervical cell carcinoma) 細胞などの培養細胞に導入し、KRT71遺伝子のプロモーター活性を解析する。KRT71遺伝子のプロモーター活性を有意に上昇させる転写因子が見つかった場合は、その転写因子についてクロマチン免疫沈降を行って、KRT71遺伝子のプロモーター領域に転写因子結合部位が存在をすることを示す。
|