• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

メラノーマ患者末梢血中の腫瘍循環細胞における遺伝子発現の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K19683
研究機関信州大学

研究代表者

御子柴 育朋  信州大学, 医学部附属病院, 医員 (60747153)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードメラノーマ / 循環腫瘍細胞 / フローサイトメトリー
研究実績の概要

【本年度の研究計画】 メラノーマ患者の循環腫瘍細胞(以下,CTC)を分離するための条件を定める.
【研究実施状況】
1. CTC検出条件の設定:メラノーマの細胞表面に発現するタンパク質HMW-MAAとB7-H3に対するそれぞれの抗体をカクテルとし,蛍光標識した2次抗体をもちいて,培養メラノーマ細胞を染色したのち,細胞分析装置FACS Aria IIIにて細胞を分析,CTCと思われる集団を探索した.白血球細胞を鑑別するための標識として,白血球マーカーの抗体カクテルLineage 1をもちいた.これら2種類の蛍光で2次元展開により解析したところ,HMW-MAA,B7-H3強陽性で,CD45陰性の小さな細胞集団をCTCと想定し分取した.さらに,この分画をメラノサイトの分化マーカーであるgp100とMART1により染色を行った.
2. CTCの分離とmRNA発現解析:メラノーマ患者からのCTC同定と分取:2名の患者および1名の健常人コントロールの末梢血から単核球分画を分離し,上記の染色ののち,設定した条件をもちいてFACS Aria IIIにより解析した.CTCと思われる集団を同定したのち,96穴の丸底プレートに細胞を1個ずつ,5個ずつ,20個,100個の単位で分取した.これらから,核酸抽出キットをもちいてDNAとRNAを抽出した.RNAからcDNAを合成し,gp100,TRP1, およびKU-MEL-1のquantitative PCRを行った.その結果,患者1のCTCのsingle cellにおいてKU-MEL-1の発現が確認された.患者2からは,いずれのマーカーも発現が認められなかった.2人の患者の白血球の分画から採取した細胞と健常人から採取した細胞には発現を認めなかった.Gp100とTRP1については特異的な発現を確認できなかった.おそらく発現量が少ないと考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

培養メラノーマ細胞と2名のメラノーマ患者,健常人からの末梢血単核球を用いて,CTCを同定する条件を設定し,CTCであることをある程度確認できた.これは、当初の計画どおりである。発現量が高いメラノーマのマーカーが必要と思われ,ひきつづき探索を行う.

今後の研究の推進方策

①さらに数名のメラノーマ患者の血液細胞を解析する予定である.分離したCTCがメラノーマ細胞であることの確認の精度を上げることが必要と思われ,そのために他のメラノーママーカーとRNA抽出キットを試す予定である.
②次年度には,分取したCTCの核酸を用いてマイクロアレイ発現解析を行う予定である.PCRを確実に行うために,10個~100個程度の細胞集団として取り扱うことも検討している.コントロールとして同一患者の白血球細胞を用いる予定である.CTCに特異的な分子については個別にRT-PCRを行って,詳細な解析を進める.メラノーマの増殖に重要なMAPK経路分子や,転移に関わる可能性のある上皮間葉転換の分子には特に注目して解析を行いたい.

次年度使用額が生じた理由

本年度は核酸抽出数が予定より少なかったため,試薬の使用量が予定より少なかった.
旅費の使用が予定よりも少なかった.

次年度使用額の使用計画

次年度使用額は,H28年度請求額と合わせて,以下のとおり使用する.今年度に加えて更に数名のメラノーマの血液を取り扱う予定であり,今年度よりも多めに試薬および消耗品を購入する予定である.マイクロアレイも行う.
研究発表や論文作成のためにも使用する予定である.

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi