糖鎖であるガングリオシドは腫瘍で重要な役割を果たしているが、皮膚悪性リンパ腫における関与を調べるため、リンパ腫細胞株において増殖に関与するGD3を産生する酵素GD3 synthaseの上昇を確認した。次に皮膚リンパ腫患者の皮膚腫瘍部から回収した腫瘍細胞におけるGD3の発現量を実際に解析した結果、正常人と比較して腫瘍細胞では有意にGD3が増加していた。この結果よりガングリオシドが皮膚リンパ腫において何らかの役割がある可能性が示唆された。そこでGD3 synthaseをターゲットとした薬剤を細胞株で投与し、細胞死を確認したが抗腫瘍効果は弱かったため、治療標的としてさらなる解析が必要である。
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