HDAC阻害剤がケロイド細胞において細胞外マトリックスや転写因子の遺伝子発現にどのような影響を及ぼすか検討を行った。以前の検討でケロイド組織中のHDAC2が高発現していることを見出したため、HDAC阻害剤として、SAHAに加えMocetinostat、Apicidinを選択した。その結果、いずれのHDAC阻害剤もCOL1A2抑制し得たが、Apicidinが抑制効果に優れていた。また、ApicidinはHIF-1αを抑制することを見出した。以上よりApicidinは局所の低酸素を改善し、線維化を抑制する可能性が示唆された。今後検討数を増やし、さらなるメカニズムの解明が望まれる。
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