研究実績の概要 |
Prl2c3は皮膚基底細胞や毛包に発現する。そこで、皮膚基底細胞や毛包でPrl2c3を過剰に発現するマウスを作成した。ケラチン5は皮膚基底細胞や毛包に限局して発現することが報告されているため(Diamond I et al. J Invest. Dermatol. 115, 778, 2000) 、ケラチン5のプロモータ領域をPCRでクローン化して、Prl2c3遺伝子の上流に結合させたコンストラクトを作成し、トランスジェニックマウス(Prl-TGマウス)を作成した。Prl-TGマウスについてそのdevelopment、 皮膚、毛について正常マウスと比較検討した。加齢による皮膚老化現象の指標として真皮層の菲薄化があるが、Prl-TGマウスでは同年齢のコントロールマウスに比べて真皮層が菲薄化する傾向を認めた。 老化細胞の数や分布を組織学的に検討して、Prl-TGマウスで細胞老化が進んでいるかSPiDER-bGal染色をして検討中である。細胞老化で発現が高まるp16, p21, p27やPAI-1、さらにIL-6, IL-8などのsenescence associated secretary pathway (SASP)の発現亢進が見られるか、抗体を用いた免疫組織及びWestern blotやRT-PCR法で調べた。また、agingとの関連を調べるためにいろいろな年齢のPrl-TGマウスと同年齢のコントロールマウスの組織を比較した。その結果について検討中である。
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