研究課題/領域番号 |
15K19718
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
松村 由紀子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90640144)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ADHD / ASD / NIRS |
研究実績の概要 |
注意欠如・多動性障害 (Attention-Deficit Hyperactivity Disorder: ADHD) と 自閉症スペクトラム障害 (Autism Spectrum Disorder: ASD) は高率に合併し、鑑別が困難である。両障害ともに、発達早期からの障害特性に合わせた養育や治療的介入が予後の改善に重要である。両障害の合併が高率に認められる要因の一つとして、両障害に共通して存在する前頭葉機能障害が指摘されており、早期診断の観点から、それぞれの障害に特有の前頭葉機能障害を特定することが急務である。本研究では、ADHD 群、ASD 群、定型発達群を対象に、前頭葉機能評価バッテリー(CANTAB)を課題とし、課題遂行中の脳活動を機能的近赤外分光法(NIRS)を用いて評価する。この試みにより各障害における前頭葉機能の特徴を明らかにする。 本研究に関連したADHD男児の前頭葉機能をCANTABと脳活動NIRSにて同時測定した結果を論文化している段階である。また、ADHD児14名、ASD児11名、定型発達児19名の3群での前頭葉機能の比較検討も行った。その結果は、定型発達群と比較して両障害群は左前頭葉の賦活が不十分で、ADHD群ではspatial working memory時に、ASD群ではverbal fluency task時に顕著であった。これらの結果をまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被験者に対して安全に検査は行えている。 本研究に関連したADHD男児の前頭葉機能を前頭葉機能評価バッテリー(CANTAB)と脳活動NIRSにて同時測定した結果を論文化している。また、ADHD児14名、ASD児11名、定型発達児19名の3群での前頭葉機能の比較検討も行った。その結果は、定型発達群と比較して両障害群は左前頭葉の賦活が不十分で、ADHD群ではspatial working memory時に、ASD群ではverbal fluency task時に顕著であった。これらの結果をまとめているところである。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、安全性に留意しながら、研究を遂行していく。 研究結果を論文化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者謝金等が計画時より少なくすんだことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品の購入、実験補助者への人件費・被験者謝金、オキシトシン濃度測定に使用し、遅滞なく研究計画を遂行する予定である。
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