注意欠如・多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム障害(ASD)は高率に合併し、両障害において前頭葉機能障害が指摘されているが、早期診断の観点から、各障害における前頭葉機能の特徴を明らかにすることが本研究の目的である。ADHD群、ASD群、定型発達(TD)群を対象に、前頭葉機能評価バッテリー(CANTAB)を課題とし、課題遂行中の脳活動を機能的近赤外分光法(NIRS)を用いて評価する。 ADHD児14名、ASD児11名、TD児19名の3群での比較検討を行った。TD群に比較して両障害群はspatial working memory および verval fluency test の課題で左前頭葉の賦活が低かった。両障害群の鑑別に関しては、ADHD群ではspatial working memoryの課題で、ASD群ではverval fluency testの課題で、賦活がより低い傾向があった。今後の発達障害や前頭葉機能の研究において、CANTABおよびNIRSが有用な検査であることが評価できた。これらの結果について、論文作成し投稿しているが未受理の段階である。
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