本研究は、衝動性、多動性を特徴とする神経発達症である注意欠如・多動症(ADHD) の診断や病態機序の解明に有用なバイオマーカーの探索を目的とした。ADHDがある子どもとADHDがない子どもに対し、各種心理検査、症状評価スケール、注意機能検査(IVA-CPT)などによる臨床評価を行い、さらに唾液を採取し唾液中サイトカインおよびコルチゾールの測定を行った。その結果、小児における唾液中サイトカイン濃度の日内変動の特徴などの新たな知見が得られ、さらに、衝動統制力および注意集中力が起床時コルチゾール値と負の相関を示す可能性が示された。
|