統合失調症の病態機序を解明するために、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)に着目し解析を行った。血清MIF濃度については、対照群と比べ患者群で有意に高く、抗精神病薬投与量と正の相関を認めた。死後脳MIF蛋白レベルについては、患者群と対照群で有意差は認めなかった。さらにMIF遺伝子多型と女性の若年発症統合失調症に有意な関連を認めた。これらの知見により、MIFが統合失調症の病態機序に関与している可能性、およびバイオマーカーとして利用できる可能性を示した。今後はさらに、マウス由来初代神経系培養細胞や患者由来iPS細胞を用いて検討を継続する予定である。
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