研究課題/領域番号 |
15K19732
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三宅 典恵 広島大学, 保健管理センター, 講師 (70548990)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 摂食障害 / 自己認知 / 青年期 / 予防 |
研究実績の概要 |
摂食障害では,抑うつや低い自己評価などがハイリスク因子として指摘されている。これまでの脳機能画像解析研究においても,摂食障害患者では,強い肥満恐怖ややせ願望,身体イメージの歪みや自己の否定的認知など,様々な認知や情動の異常を認めている。青年期女性においてはやせ願望が挫折感や自己評価の低さの解消に利用され,摂食障害の発症に至るケースは少なくない。大学メンタルヘルスの現場においても摂食障害予備群といわれる摂食障害の発症リスクが高い学生が増加している。本研究では,摂食障害の予防や早期発見に向けて,大学生を対象に摂食態度や気分に関する質問紙調査を実施した。大学生の入学時から4年次までの健康診断の際のBody Mass Index(BMI),および入学時と4年次に実施した摂食態度調査票とBeck Depression InventoryーIIの個人情報のないデータを用いて,入学時と4年次の健診結果を検討した。入学時のBMI17.5未満の低体重者の割合は,男子5.1%,女子10.6%でああり,4年次は男子5.3%,女子7.1%であった。入学時と比較して,4年次の健診で体重変化を認めた学生は少なくなかった。また,学生全体において,4年次は入学時と比較して抑うつ傾向が高いことが明らかとなった。特に,BMI17.5未満の低体重やBMI25以上の高体重を認めた女子学生においては,抑うつ傾向の高い学生を多く認めた。体重変化を認める学生への指導とともに,摂食態度や抑うつの重症度による検討も重要である。また,摂食障害の疾病理解や予防に向けて,講演会を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
摂食障害の予防や早期発見は重要課題であり,BMIや質問紙調査の結果から,摂食態度の重症度,自己・情動・身体イメージ認知との関連など,さらなる検討が必要であるが,調査に時間を要し,研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
摂食障害の予防や早期発見に向けて,大学生の摂食態度調査や抑うつの重症度分類による調査を行い,今後の介入方法を検討する。また,予防的な心理教育を行っていくためのプログラム作成や脳機能を用いた評価が今後の課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究がやや遅れていることや,予防プログラムの作成に時間を要しているため,次年度使用額が生じた。このため,研究を継続し,さらなる解析を行うとともに,摂食障害の予防に向けた心理教育プログラムの作成を引き続き次年度に行うこととし,未使用額はその経費に充てることとしたい。
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