研究課題/領域番号 |
15K19734
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
梅原 英裕 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (90645798)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 強迫性障害 / Serotonin transporter / 治療反応性 / 遺伝子発現 / DNAメチル化 |
研究実績の概要 |
強迫性障害の薬物治療として、三環系抗うつ薬やセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)による治療が有効であることから、強迫性障害の病態にはセロトニン系の異常が関与していると考えられている。本研究では、末梢血白血球のDNAおよびRNAを用いて、三環系抗うつ薬やSSRIの主要な作用部位であるSerotonin transporter (5-HTT) 遺伝子に注目し、強迫性障害の発症リスクおよびSSRI治療反応性に違いが生じる生物学的背景の探索を行った。 研究同意が得られた強迫性障害患者57名および健常対象者の末梢血57名より抽出したゲノミックDNAとtotal RNAを用いて、Serotonin-transporter-linked polymorphic region (5-HTTLPR)の機能性多型(La, Lg, S)の同定および5-HTT遺伝子のm-RNA発現とDNAメチル化修飾の測定を行った。 我々のサンプルにおいては、5-HTTLPRの多型と強迫性障害の発症リスクとの関連を認めず、先行研究を合わせたメタ解析の結果でも、有意な関連は認めなかった。一方、強迫性障害患者サンプルは健常対象者サンプルに比べて、5-HTT遺伝子のm-RNA発現が有意に亢進していた。強迫性障害の薬物反応性の違いと、5HTTLPRおよび5HTT遺伝子発現との間には有意な関連は認めなかった。現在、同じサンプルを用いて、5-HTT遺伝子のプロモータ領域のDNAメチル化修飾レベルを調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
強迫性障害と健常者の末梢血白血球より抽出したDNAの5HTTLPRのL/S多型の同定を行い、同定された5HTTLPRのL/S多型を用いた強迫性障害のケースコントロール研究、メタ解析、および強迫性障害の反応性との関連研究は終了している。また、強迫性障害と健常者の末梢血より抽出したRNAを用いて、強迫性障害のケースコントロール研究、および強迫性障害の薬物反応性との関連研究もすでに行っている。現在、遺伝子発現およびDNAメチル化研究も順調に進んでいる。これよりおおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
現在保有している強迫性障害患者のDNAサンプルを用いて、 Zymo Research社のEZ DNA methylation kitでバイサルファイト処理を行い、QIAGEN社のPyroMark Q24を用いて5-HTT遺伝子のプロモータ領域のDNAメチル化修飾レベルを調べる。当初予定していたプライマーでは、メチル化定量の精度が悪かったが、プライマー設計しなおすことで、現在は順調にメチル化定量がすすんでいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった消耗品の価格変動のため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度への繰越金は、消耗品に使用する予定である。
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