研究課題
「うつ病」は、この数年日本における重大な社会的問題となっている「自殺」問題と強く関連している。「うつ病」の治療法は、薬物療法、精神療法、社会心理的教育が主である。研究戦略として、ラットなどの動物を用いた「うつ病モデル」を使用して急性および慢性のパルス近赤外線治療法が「うつ病」に効果があることを確認する。これらの成果にもとづいて、次の段階としてパルス近赤外線治療法用の機器の開発を計画する。機器の開発が終了すれば、最初は健康正常人に使用し、問題となる副作用がないことを確認する。そして最終的に「うつ病」患者に使用する。なお動物実験用のパルス近赤外線治療法のための機器は開発を終了し、一部改良するのみである。研究の方法は実験動物で種類はWistarのラットを使用し性別は♂・5週令である。実験グループは①Control群を20匹②パルス近赤外線(1回)群を20匹③パルス近赤外線(20回)群を20匹準備した。①パルス近赤外線照射装置(動物用装置は、保持している)⇒②不安およびうつ病動物モデルラット(高架十字迷路試験、明暗箱、恐怖条件付け試験、強制水泳試験、行動量)を用いて、パルス近赤外線照射装置の有効性を確認する。上記のように既に我々は、急性および亜急性では、パルス近赤外線光は不安および抑うつを抑制することを確認している。パルス近赤外線の慢性照射(20回)を行い、急性(パルス近赤外線1回照射)と亜急性(パルス近赤外線10回照射)と同様の効果があるかを調べる。ラットの脳組織標本作製し、ラットの海馬における細胞新生を確認する。研究成果は慢性パルス近赤外線は、不安およびうつ病動物モデルラットにおいて、コントロールや急性投与グループと比較して不安・抑うつを有意に抑制した。またこれは、ラットの海馬における細胞新生を有意に増加させた。
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