本研究ではmirtazapine(MIR)とその代謝物の光学異性体血漿中濃度測定を行い、CYP2D6遺伝子多型を含めたMIR代謝に影響する因子について検討した。喫煙者のS-(+)-MIR補正血漿中濃度は非喫煙者群に比較して有意に低く、CYP2D6*10のホモ接合体を持つ個体は、持たない個体と比較して有意に高い血中濃度を示すことが判明した。重回帰分析ではCYP2D6*10変異アリル数がS-(+)-MIR補正血漿中濃度と有意に相関していた。また主要代謝産物であるMIR抱合体の血漿中濃度が極めて低く、水酸化代謝物の殆どがグルクロン酸抱合体として血中に存在するという予備的結果を得た。
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