研究課題/領域番号 |
15K19750
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
松永 慎史 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (30726641)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / リチウム / ランダム化比較試験 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本人アルツハイマー型認知症患者(軽度~中等度)に対する炭酸リチウムの効果および安全性をプラセボ対照、二重盲検、無作為化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)にて検討することである。また、今回の研究結果と先行研究の結果をメタ解析を行い、決定的な科学的エビデンスを創出することである。2015年度において、先行研究として我々は既報のランダム化比較試験のメタ解析を行い、炭酸リチウムがアルツハイマー型認知症に対し認知機能障害の進行抑制効果を持つ可能性があることをJournal of Alzheimer diseaseに報告した(Matsunaga et al. 2015)。また、炭酸リチウムの適応外使用における倫理面や安全性の検討を多職種間で行い、炭酸リチウムの投薬量として、安全性の観点から低用量での介入が望ましいという結論に至り、既報のRCTで有効性が示されている最低容量の300μg/dayに再設定を行い、2015年11月に倫理審査委員会の承認をえた。その後、2015年度より症例登録開始予定であったが、炭酸リチウムの低用量での安定性の確認のため薬剤部と連携して、現在検討中であり、症例登録開始に至っていない。2016年度初旬には安定性の検討が終了する予定であり、安定性が担保され次第、早急に症例登録を開始する予定である。
Lithium as a Treatment for Alzheimer's Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis Shinji Matsunaga; Taro Kishi; Peter Annas; Hans Basun; Harald Hampel; Nakao Iwata Journal of Alzheimer's disease: JAD 09/2015; 48(2):403-410. DOI:10.3233/JAD-150437
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までに、炭酸リチウムの適応外使用における倫理面や安全性の検討を多職種間で行い、炭酸リチウムの投薬量として、安全性の観点から低用量での介入が望ましいという結論に至り、既報のRCTで有効性が示されている最低容量の300μg/dayに再設定を行い、2015年11月に倫理審査委員会の承認をえた。その後、2015年度より症例登録開始予定であったが、炭酸リチウムの低用量での安定性の確認のため薬剤部と連携して、現在検討中であり、症例登録開始に至っていない。2016年度初旬には安定性の検討が終了する予定であり、安定性が担保され次第、早急に症例登録を開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
症例登録が遅れており、2016年度において早急に症例登録を進めていく。課題として、フォローアップ期間が52週のため、研究機関の延長が必要となっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
薬剤の安定性の確認のため、試験開始が遅れており、リサーチアシスタントおよび心理師の人件費、臨床研究保険料等が発生していない。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度から試験開始に伴い、2015年度に必要としていた人件費と臨床研究保険料が必要となる。
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