研究実績の概要 |
術後照射について婦人科癌、乳癌を対象に研究を行った。 婦人科癌の術後陽子線治療について以下の研究を行った。13例の婦人科癌の術後症例について全骨盤照射をX線によるIMRT及びSpot scanning proton therapy (SSPT)による治療計画を立てPTV及びリスク臓器のDose Volume Histogram(DVH)の比較及びGrade3以上の血液毒性のNTCP値を算出し比較検討を行った。骨髄のV20Gy、V10GyはSSPTでは42.68%、55.14%でIMRTでは64.86%、88.47%でSSPTで有意に低減されていた。大腿骨頭のV30GyはSSPTでは2.09%、IMRTでは7.28%とSSPTで有意に低減されていた。一方PTVに対する照射線量は同等であった。Grade3以上の血液毒性のNTCP値はSSPTでは0.04、IMRTでは0.19でSSPTはIMRTと比較し有意に低減されていた。しかし腸管の照射線量については有意差を認めなかった。この結果を2015年10月に米国で行われたthe 57th Annual Meeting of the American Society of Radiation Oncology (ASTRO)にて示説発表した。 乳癌の術後照射については以下の研究を行った。 2014年に乳癌に対して術後照射を行った症例44例について、患側肺、両側肺、心臓の線量体積評価を行った。患側肺のV40Gy,V30Gy,V20Gy,V10Gy,V5Gyはそれぞれ4.7%,6.8%,8.6%,12.3%, 18.5%であった。両側肺のV20Gyは4.41%、心臓のV20Gy(左側)は1.43%であった。本研究の結果は第75回日本医学放射線学会総会で発表した。
|