研究実績の概要 |
乳癌の術後照射について検討を行った。 50例(右側25例、左側25例)の乳房温存術後に温存乳房に対する接線照射における内胸リンパ節および正常組織(肺、心臓)の線量体積評価を3つの異なる線量計算アルゴリズムを用いて行った。Isocenterに対し50Gy/25回の放射線の治療計画で、内胸リンパ節の平均線量はSuperposition法(SP)、Convolution法(CO)、Clarkson法(CL)で1048cGy、1016cGy、1043cGyであった。すべての症例のすべての計算アルゴリズムで内胸リンパ節領域の平均線量は30Gy以下であった。患側肺の線量体積分析では30Gy以上照射される割合はCO法とCL法と比較しSP法では少なく、逆に5Gy,10Gy,15Gy照射される体積の割合はSP法で高かった。 この結果を第76回日本医学放射線学会総会で発表し、現在投稿中である。 次に領域リンパ節を含む乳癌の術後照射における線量体積評価を行った。温存乳房およびLevelI、II腋窩リンパ節に対し、強度変調放射線治療を行った10例について線量体積評価を行った。Planning Target Volume(PTV)に対し、体積の50%が50Gy照射される様指示を行い(D50%=50Gy)、患側肺、健側肺、心臓、健側乳房の線量体積の評価を行った。10例の患側肺の30Gy、20Gy,10Gy.5Gy照射される体積の割合(V30Gy,V20Gy,V10Gy,V5Gy)の平均値は12.0%、18.0%、26.4%、42.4%であった。健側肺の5Gy照射される体積の割合(V5Gy)は0%、健側乳房の最大線量は281cGy、心臓の20Gy照射される体積の平均値は右側の症例%出1.2%、左側の症例で6.1%であった
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