研究実績の概要 |
海外留学のため、核磁気共鳴画像における拡散強調像のバイオマーカーとしての役割について、脈絡叢腫瘍と脊索腫と予後の関係について評価した。 脈絡叢腫瘍はWHO分類においてグレード1から3まで分類されており、拡散強調像で撮像し、計算した見かけの拡散係数(ADC値)と有意な負の相関を示した。またADC値が低い方が予後が悪いことも示した(Sasaki T, et al. Neuroradiology 2018;60:479-86)。 脊索腫は低悪性度の脊椎腫瘍であり、WHO分類においてclassical chordioma, chondroid chordoma, dedifferentiated chodromaの三種類に分類されている。発生部位からは全摘出することが困難な腫瘍の一つである。そのため、術後も定期的な画像検査が行われ、追加治療のタイミングを判断する上で画像が重要な役割を果たしている。脊索腫の多くはclassicalまたはchondroid chordomaであり、これらはADC値は比較的高い。しかし、経過観察中にADC値が低いものがあり、これらの腫瘍増大速度は早く、予後が悪いことを報告した(Sasaki T, et al. American Journal of Neuroradiology 2018 in press)。 ADC値は脳、脊椎領域において予後を示すバイオマーカーの一つである可能性が示された。
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