研究実績の概要 |
GE社製Dual energy CTを用いてプラチナ製剤の画像化を試みたところ、保険適応下の動注用シスプラチン濃度1.43mg/mLよりも高濃度に調整した5mg/mLで周囲組織より弁別できる可能性が見られたが、動注可能濃度および静注用濃度(0.5mg/mL)では弁別が困難と考えられた。 核磁気共鳴画像における拡散強調像のバイオマーカーとしての役割について、脈絡叢腫瘍と脊索腫と予後の関係について評価した。 脈絡叢腫瘍はWHO分類においてGrade1から3まで分類されており、拡散強調像から計算した見かけの拡散係数(ADC値)と有意な負の相関を示した。またADC値が低い方が予後が悪いことも示した(Sasaki T, et al. Neuroradiology 2018;60:479-86)。 脊索腫は低悪性度の脊椎腫瘍であり、WHO分類においてclassical chordioma, chondroid chordoma, dedifferentiated chodromaの三種類に分類されている。比較的発生頻度が少なく、画像所見と予後を結びつける報告は少ない。その中で、我々はchordoma術後残存病変や再発病変のADC値は予後とも関連することを報告した(Sasaki T, et al. American Journal of Neuroradiology 2018;39(7):1316-1321)。また最近術前のchordomaの造影増強効果が腫瘍再発と関連することが報告されてきており(Lin E, et al. American Journal of Neuroradiology 2018;39(8):1509-1514)、脊索腫とMRI画像の典型画像から予後に関連を強調したreviewの報告を行った(佐々木ら、第78回日本医学放射線学会総会、2019年横浜)。
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