研究課題
口腔粘膜の表面線量をMIM Maestro ver.6.0.2(MIM Software Inc.USA) を利用し3次元的にモデル化し、粘膜炎発症部位と口腔粘膜表面線量モデルを比較検討した。高線量域は一致し、Grade2(RTOG)以上の口腔粘膜炎は、口蓋は43.0Gy(RBE)以上、舌では54.3Gy(RBE)以上で有意差をもって発症する結果を得た。詳細は国際雑誌(PLoS ONE 2015.10(10): e0141734.)に掲載された。口腔粘膜表面線量モデルにて口腔粘膜炎の発症線量や部位・程度が予測可能になった為、粘膜炎発症防止に本モデルを利用している。具体的には固定装置の一つであるマウスピースを利用して、口腔内の可動粘膜を照射野付近から遠ざけ、粘膜炎の発症防止を試みている。上記内容は国際雑誌(Physics and Imaging in Radiation Oncology 2017.1-4 )に受理され、現在臨床応用している。また、重粒子線治療開始前に本モデルを患者や医療従事者(特に看護師や歯科衛生士)への情報提供に使用している。具体的には患者個々にパンフレット等を配布し、その際に自身の口腔粘膜表面線量モデルを提示し、説明している。本モデルを使用した患者のQOL 評価やアンケートについても施行し、可能な範囲で患者満足度を確認している。また、看護師や歯科衛生士についても、アンケートを施行し、本モデルの看護やケア等への有用性についても確認している。本モデルは重粒子線で運用可能であった為、可動施設が重粒子線治療よりも限定的ではない頭頸部領域における強度変調放射線治療にも応用した。解析結果の詳細は国際雑誌(International Journal of Oral & Maxillofacial Surgery 2019 in press)に受理された。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)
International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery
巻: in press ページ: in press
Head & Face Medicine
巻: 14 ページ: 1~7
10.1186/s13005-017-0158-9
巻: 47 ページ: 918~922
10.1016/j.ijom.2018.03.025
日本障害者歯科学会雑誌
巻: 39 ページ: 154~159
https://doi.org/10.14958/jjsdh.39.154
歯科放射線
巻: 58 ページ: 15~18
https://doi.org/10.11242/dentalradiology.58.15