リンパ腫移植マウスへの炭素イオン線照射が、HMGB1の放出を誘導すること、また腫瘍特異的Tリンパ球を増加させることを明らかにした。 HMGB1は、放射線照射によって死亡した細胞から放出されるdamage-associated molecular pattern (DAMPs)の一種であり、抗原提示細胞を活性化させる。HMGB1の刺激により活性化した抗原提示細胞は、腫瘍特異的細胞障害性T細胞の増殖と活性化を誘導する。そのため、本研究の結果から、炭素イオン線照射による腫瘍細胞死が、その腫瘍細胞特異的T細胞の活性化を促す可能性が明らかになった。
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