研究課題/領域番号 |
15K19772
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
滝嶋 葉月 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10568661)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 4D-MRI / 4D-CT / 肺悪性腫瘍 |
研究実績の概要 |
撮影条件の設定:4D-CTと4D-MRIの撮影条件の調整を行った。計画時には、4D-CTは電圧を下げて撮影を行う予定であったが、治療計画の線量計算に影響が出ることが判明したため、通常の放射線治療前に撮影するCTと同じ条件で撮影を行うこととした。MRI撮影時には、4D-CT撮影時に用いる体位を固定する台を使用し、できる限りCT時と同じ体勢となるように調整を行った。 患者の選択:対象となる定位放射線治療の患者は数が少なかった。4D-CTの撮影は、定位放射線治療のみではなく通常の肺癌の放射線治療の患者さんでも行うため、対象を放射線治療と行う肺悪性腫瘍の患者に拡大した。 実際の撮影:3例の患者さんに説明を行い同意を得て、4D-CT及びMRIを実際に撮影した。患者には撮影時にCT・MRIで同じような呼吸をしてもらうよう啓蒙を心がけた。 画像の解析:フロンティアメディカルセンターと協力し、撮影したMRI画像から4D-MRIの構築を行っている。CT画像との一致度など検討項目を構築中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画から撮影条件に変更があったため、その調整に時間を要した。 実際に定位放射線治療を行う患者が少なく、実際の撮影がなかなか進まなかった。患者対象を定位放射線治療から、肺悪性腫瘍に対して放射線治療を行う患者へ広げ対応していく。 4D-CT画像は、呼吸の乱れによって画像が不連続となってしまうことが判明した。これをどう解決するかを現在検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
患者の撮影:患者のCT・MRI撮影をさらに進めていく。 アルゴリズム構築と実装:実際に得られたデータから、MRIのデータを解析し、腫瘍の動きを測定する。同一患者のCT画像の、最も吸気および呼気時の1断面の腫瘍の位置を識別する。数値化されたMRI画像の腫瘍の動きを、作成したアルゴリズムを用いてCT画像と融合し、最大吸気・呼気の間のCT画像での動きを仮想的に構築する。 有効性評価:構築された仮想のCT画像と、実際に撮影された4D-CT画像とを比較し、精度を評価する。実際のCT画像との一致性によって、仮想CTの有効性を評価する。また、その結果に応じて、必要なアルゴリズムの改良を行う。4D-CT画像は、呼吸の乱れによって画像が不連続となってしまうことが判明した。画像解析における問題点の解決法を探る。 成果発表:研究結果について国内学会・国際学会で成果発表を行うとともに、関連領域の研究者との情報交換を行う。また、成果について英文論文を作成する。
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