研究実績の概要 |
MRI 画像をVBM解析することによる脳容積評価はアルツハイマー型認知症や統合失調症、脳機能解明などの分野に応用され、この手法の精度向上は多くの研究結果をより高精度なものにする。しかし、VBM を用いた脳容積評価の解析結果に大きく影響する脳組織変化に関する報告は数少なく、この影響に対する補正法の提案は行われていない。したがって、現在の解析方法では、老化による鉄沈着が原因となるMRI 画像信号変化や投薬によるMRI 画像信号変化からの影響を補正することができず、解析結果の精度低下が生じている。そこで、脳組織変化による影響を補正する手法を取り入れた新規MRI 脳容積評価法を構築し、臨床データを用いて新規本手法の有用性を証明することがこの研究の目的である。 28年度は、27年度に作成したデータベースを用いて検討を行った。29年度は、28年度の検討を論文掲載(Mis-segmentation in voxel-based morphometry due to a signal intensity change in the putamen. Goto M, et.al, Radiol Phys Technol. 2017,10:515-524./Usefulness of voxel-based morphometry using the brain image in the case of dilated lateral ventricles. Goto M, et.al ,Magn Reson Med Sci. in press.)した。また、引き続きの検討として、解析画像コントラストと脳容積測定精度の関係を検討し学会発表を行った。さらに、画像信号変化量を計測するための新規手法を作成した。30年度は、29年度の研究結果の論文化と新たに考えられる検討内容を行う予定。
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