研究課題
本研究の目的は、これまでほとんど開発されてこなかった、CT画像における骨の病変検出、とくに汎用の異常検知システムを開発、評価することである。この目的のため、体幹部CT画像における、前回検査と今回検査の自動比較、新出病変の自動描出・強調表示アルゴリズムを作成、実装した。これまでの研究成果を統合し、まず入力CT画像から骨を中心としたランドマーク点190点余を自動検出する。さらに、マルチアトラス法を用いて、脊柱骨および骨盤骨領域を自動抽出(セグメンテーション)する。これらのセグメンテーション処理を前回検査、今回検査でそれぞれ行う。次に、これもこれまでの研究手法を用いて、前回画像と今回画像の位置合わせを行う。ランドマーク点の座標情報と、画像情報とを同時に用いるhybrid demons algorithmを用いて、ボクセル単位で位置合わせを行う。最後に、前回検査と今回検査とで脊柱骨、骨盤骨のCT値をボクセル毎に比較、差分を取って変化の強かった部位を強調表示し、利用者に表示する。ここまでの研究成果は、読影実験を加えて、日本医学放射線学会で発表された。さらに、deep learningの手法を用いて、各ボクセル毎に推定される画素値誤差を計算し、それで除することでz-scoreをボクセルごとに計算する手法を新たに付け加え、最大値投影画像としてよりわかりやすく表示する手法を実装した。これは国際学会のCARSで発表予定である(accept済)。
すべて 2018
すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)