研究課題/領域番号 |
15K19780
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
米田 憲秀 金沢大学, 附属病院, 助教 (30721930)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / 肝幹細胞 / 上皮間葉移行 / 画像 / EpCAM |
研究実績の概要 |
肝幹細胞/前駆細胞の形質を有する肝細胞癌や上皮間葉移行(epithelial-mesenchymal transition; EMT)を呈する肝細胞癌は予後不良であるとの報告があるが、これらと画像の関係の評価は未だ不十分である。 当院にて2008年から2011年の間に外科切除された91症例の肝細胞癌患者のうち96個の肝細胞癌を検索し、外科切除前に肝動脈科化学塞栓療法が施行され画像に治療修飾があった6症例6個の肝細胞癌を除いた85症例90個の肝細胞癌の画像(CT,MRI)、切除された病理標本から未染標本を集積した。肝幹細胞・前駆細胞のマーカーとしてはEpCAM,CK19に注目し免疫組織化学にて評価した。中でもEpCAMに注目し、EpCAMが免疫組織化学上5%以上陽性となるものをEpCAM陽性肝細胞癌とし、EpCAM陽性肝細胞癌(n=24)と陰性肝細胞癌(n=66)に分類し、2群間における画像特徴、臨床病理学的特徴を比較評価した。画像評価としてはダイナミックCTでの増強率、増強パターン、腫瘤内部拡張血管の有無、内部造影不染域の有無、MRIで内部脂肪含有の有無、T1強調像、T2強調像、拡散強調像、ADC値をGd-EOB-DTPA造影MRIの肝細胞層では、腫瘤周囲低信号域の有無、腫瘤辺縁の形状、増強率を評価した。臨床病理学的評価としては性別、年齢、Child-pugh score、背景ウイルス、背景肝の状態、肉眼形態、分化度、増殖形態、脈管浸潤の有無などを評価し、予後検討としては全生存率をKaplan-Meire法にて比較した。EMT関連の評価は免疫組織化学にてE-cadhelin、vimentinを免疫組織化学し、EpCAM陽性肝細胞癌との関連や画像との関連を評価中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝幹細胞に関してはEpCAMに注目し画像特徴の解析、臨床病理学的解析、予後検討を行いおおむね結果の検討ができている。現在はEMT関連とEpCAM陽性肝細胞癌との関係性の評価を施行中である。
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今後の研究の推進方策 |
EMT関連とEpCAM陽性肝細胞癌、画像との関係性を評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は都合により、参加予定していた海外学会に参加することができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
海外学会に参加あるいは免疫組織化学など追加検討を施行する予定。
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