研究課題
時間分解分光装置(TRS)は組織の血液量、酸素飽和度(StO2)等を非侵襲的に測定できる。乳癌の総ヘモグロビン量をTRSで測定する場合、皮膚胸壁間距離を考慮することでより正確に評価できることを以前明らかにした。今回の研究では腫瘍の検出感度を上げるために至適な光源検出器間距離(SD間隔)を検討し、SD間隔は従来の30㎜よりも20㎜の方が胸壁の影響を受けにくく、腫瘍の測定値は同程度であり、SD間隔20㎜の方が乳癌の測定により適していることを学会発表した。また腫瘍の深さ、サイズによるTRSでの測定への影響を検討し、腫瘍が深くなると測定値が低下し、サイズが大きくなると測定値が増加することを学会発表し、論文化した。さらに乳癌の化学療法の効果判定における胸壁の影響を検討し、胸壁の影響を考慮することでより正確な評価が可能であることを学会発表した。TRSは水濃度、脂肪濃度も測定可能な装置の使用を開始した。この装置の評価のためにもdual energy CTで脂肪量、血液量を定量的に評価するため、まず正常乳腺および乳癌についてデータを収集し、結果の一部について論文発表した。さらに、これに基づいてdual energy CTの解析プロトコールを一部変更して乳癌解析用のプロトコールを作成し、データの解析を行った。MRIでもStO2を反映すると考えられるT2*強調像、脂肪量を定量可能なfat fractionの撮影を行い、データを収集した。これらについてはデータ解析中であり、一部学会発表後、もしくは発表予定である。
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J Biomed Opt.
巻: 2 ページ: 1-6
10.1117/1.JBO.23.2.026010.