研究課題/領域番号 |
15K19784
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川村 麻里子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80732685)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 乳がん / 術中照射 / 電子線 / 遮蔽プレート |
研究実績の概要 |
乳房温存術後の短期部分照射の方法のひとつに術中照射法がある。申請者の施設では日本で最初に温存術後の術中照射を行い、すでに5年以上が経過し、現在、局所再発もなくその成績は良好である。しかし、高線量投与による肺等の正常組織の障害を避けるため、主要賞背足に厚みのある大きな遮蔽プレート(アクリルー銅)を挿入する必要があり、その結果、皮膚切開創が大きく、乳房整容性が低下する問題がある。本研究の目的はタングステン機能紙と造影剤を用いた柔軟で自由度の高い素材による遮蔽プレートを試作し、皮膚の小切開創から挿入可能かつ、現行のプレートと同等の遮蔽率を有するプレートを製作するための基礎的検証を行うことにある。 H27年度はタングステン機能紙の遮蔽効率についての検証結果を米国物理学会で報告した。H28年度は乳房術中照射に頻用される電子線エネルギー9、12MVを遮蔽する為に必要な造影剤の厚みをヨード含有量の異なる造影剤数種類で検証し、9MV電子線であれば、CT用ヨード造影剤を用いることで、遮蔽が可能である可能性が示唆される結果が示された。一方で12MV電子線の遮蔽にはヨードの遮蔽効率では不十分である可能性が示唆された。上記結果を日本放射線腫瘍学会でも報告した。現在、ヨード以外の材料を用いた遮蔽効率の追加検証を検討中であると同時に、結果の論文化に向けて準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎的な検証、まとめは概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の結果により生じた追加検証を行い、論文化を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
造影剤を用いた基礎検証の結果、CT造影剤以外の材料をさらに検討する必要があると考えられたが、具体的に何を用いるか、現在検討中であり、未購入である。
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次年度使用額の使用計画 |
検討後に追加購入を行う予定である。
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