研究課題/領域番号 |
15K19784
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川村 麻里子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80732685)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 乳がん / 術中照射 / 電子線 / 遮蔽プレート |
研究成果の概要 |
乳房温存手術後の短期部分照射の方法の一つに術中照射法がある。術中照射では、高線量投与による肺や心臓などの正常組織の障害を防ぐため、腫瘍床背側に厚みのある大きな遮蔽プレートを挿入する必要がある。同遮蔽プレートの挿入のために、皮膚に大きな切開を加える必要があり、乳房の整容性が低下する問題があった。本研究では、同等の遮蔽効率を有するが、小さな切開創で挿入可能な遮蔽プレートの開発を目指すものである。本研究期間にタングステン機能紙の遮蔽効率、乳房術中照射に頻用される電子線エネルギー9、12MVを遮蔽するために必要な造影剤の厚みや種類、乳房再建術で用いるエキスパンダーの遮蔽効率について検証、報告を行った。
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自由記述の分野 |
放射線治療
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳がんは女性が罹患する癌の中で最も多く、また、根治率も高い疾患である。乳がん術中照射は術後の通院放射線治療が不要になるだけでなく、肺や心臓の被曝を0にするため、患者の負担を軽減するメリットがある。しかし、照射する部位と肺や心臓の間に遮蔽プレートを挿入する必要があるため、現行の方法では乳房の大きな手術創は不可避である。乳房の大きな術創は女性の治療後のQOLを大きく損ねるため、小さな術創から挿入可能な遮蔽プレートを考案し、その基礎的な検証を行った。実臨床で使用するには、まだ課題はあるが、柔らかい遮蔽プレートを作成することは理論上は可能であることが示唆され、今後更なる検討が望まれる。
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