研究課題/領域番号 |
15K19787
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡部 直史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90648932)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Alzheimer病 / アストロサイト / PETイメージング |
研究実績の概要 |
Alzheimer病の発症過程におけるアストロサイトのPETイメージングとして、C-11 PIBによるアミロイドイメージングとF-18 DPA714(TSPO)による活性化グリア細胞(アストロサイト、ミクログリア)の神経炎症イメージングを行った。対象のAlzheimer病モデルマウスとして、APP-KI(アミロイド前駆体蛋白遺伝子ノックイン)マウスを用い、普通食・高脂肪食負荷群に分けて、PET撮像を行った。高脂肪食負荷群では神経炎症の増悪により、より早期での変化が捉えられることが予測される。また野生型マウスについても、普通食・高脂肪食負荷群に分けて、同様に撮像を行った。PET撮像時は2匹同時撮像により、1日12匹の収集を行い、各群3匹ずつを3ヶ月ごとの定期撮像を行った。現時点ではマウスの月齢が12ヶ月未満と高齢でないことから、アミロイドの沈着と随伴するアストロサイトの変化には乏しいと思われるが、今年度に高齢化する中での過程をイメージングで捉えられるように計画している。また免疫染色切片との比較についても、高齢APPマウスの脳切片を用いて、アミロイド・TSPO・CD11bの3重染色ならびにアミロイド/GFAP観察を行い、アミロイド沈着部周囲にGFAP陽性アストロサイトならびにCD11b陽性ミクログリアの存在を確認している。今後、APP-KIマウスでのPET実験終了後に同様に脳免疫染色による確認を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Alzheimer病モデルマウスについてはAPP(アミロイド前駆体蛋白)遺伝子ノックインマウスを用いて、普通食・高脂肪食負荷群に分けて、順調に定期的なPET撮像を行っている。 また免疫染色切片との比較についても、アミロイド_TSPO_CD11b_3重染色観察を行い、アミロイド沈着部周囲にアストロサイトならびにミクログリアの活性化を確認している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、これまでのPET実験を継続すると共に、C-11 AcetateあるいはC-11 benzyl acetateを用いて、アストロサイトのTCA回路代謝についての定量的PETイメージング評価を行いたいと考えている。またアミロイドの沈着が十分に確認することができれば、抗アルツハイマー病薬投与前後での変化も併せて評価する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の計画段階での想定と実際の進展状況との相違のため。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き本研究の目標達成のための物品費として使用する。
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