研究課題/領域番号 |
15K19791
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
祖父江 慶太郎 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90622027)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | R2*値の定量 / R1値の定量 / 肝機能評価 / 鉄沈着 |
研究実績の概要 |
平成27年度に行ったGd-EOB-DTPA造影剤を含有させて濃度を調整した水溶液の実験用ファントムの撮像で得られた結果を基にして,R2*値およびR1値を測定するためにMRシーケンスプロトコールを作成して引き続き臨床症例の撮像を行った. 研究実施計画では,NASH患者における造影剤取り込みを定量する予定であったが,想像以上にNASH患者数が少ないことが判明したため,NASH患者を含めた慢性肝障害患者および非慢性肝障害患者のMRI撮像を行っている. 平成29年度では合計45名の患者にMRI撮像を実施し,平成28年度にMRI撮像を行った32名と併せて全体で77名の患者に対して目的のMRI撮像を実施することができた。このうち全症例においてDIXON quantより得られるR2* mapおよびR1 mapを撮像することができている. 得られた計測値から算出した造影前後でのR2*値の変化率(ΔR2*値)および造影前後でのR1値の変化率(ΔR1値)と肝機能の指標であるMELD scoreおよびICG 15分停滞率との相関を調べた所,ともに強い負の相関が見られた.一方で、R2* mapにおいては画質の安定性が悪く肝左葉では数値計測に信頼性が乏しいこと、背景肝実質への過剰鉄沈着例(2例)においては、造影剤投与前と投与後で取り込みの定量が全くできず、R2* mapにおけるLimitationと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、合計77名にMRI撮像を実施し、測定値と肝機能に良好な相関が得られているが、予定以上の症例数蓄積が得られたためMRIでの計測値に影響を及ぼす因子を多変量解析で検討している。その成果を次年度の国際学会にて発表した後に英語論文作成を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、対象症例へのMRI撮像はほぼ完了しており、得られたデータの検討を行いその成果を次年度の国際学会発表や英語論文作成を行う段階であり、研究の推進に問題ないと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に申請した費用のうち、物品購入費と人件費にかける割合が少なかったため、次年度使用額が生じた。 平成30年度では、得られた結果の詳細な統計解析を行い国際学会での発表ならびに論文作成を予定しており、その使用目的としている。
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