研究実績の概要 |
心筋梗塞と診断され、高速エネルギースイッチング法を用いた遅延造影CT(Discovery CT750 HD Freedom Edition, GE Healthcare) と遅延造影MRI(3.0T, Magnetom Skyra, Siemens)が撮像された17症例を研究の対象とした。遅延造影CTでは各症例毎に、40から140keVまでの10keV毎の仮想単色X線画像とヨード密度画像(それぞれ左室短軸像)を作成し、二名の放射線科医が独立してそれらの画像を評価し、遅延造影MRIの所見と対比した。各画像においてAHA17セグメントモデルを用いて梗塞心筋の検出能・診断能(感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率・正確度・κ値・ROC下曲線下面積)と壁内進展度(5ポイントスケール;4:definitely present, 3:probably present, 2:equivocal, 1: probably absent, 0:definitely absent)につき評価した。さらに定量評価として梗塞心筋のContrast-to-noise-ratio(CNR)と体積、%体積の計測も追加した。結果的に、GSIを用いた遅延造影CTは遅延造影MRIと同様に梗塞心筋を描出可能であり、その診断能や定量評価においても遅延造影MRI同様に評価でき、その有用性が示唆された。研究内容の一部を学会発表にて提示し、新たな知見をもとに論文作成中である。
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