研究課題/領域番号 |
15K19801
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
木藤 雅文 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (40744909)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 冠動脈CTA |
研究実績の概要 |
冠動脈CTAでは冠動脈に高度石灰化を有する患者に対する有用性は限られている。冠動脈サブトラクションCTAは冠動脈から石灰化を除去することで、正確な冠動脈の狭窄率評価が可能になると考えられている。しかし連続した2回の冠動脈CTAの撮像が必要となるため、撮像方法を工夫する必要があった。 本研究では冠動脈サブトラクションCTAの撮像方法の最適化を行った。これにより当施設を含めて良好な撮像が可能となっている。ミスレジストレーションのほとんど無い画像の取得ができており、本年度においても症例の蓄積を行った。冠動脈内腔の造影効果がプラークCT値へ及ぼす影響を調べた。冠動脈起始部に非石灰化プラークによる50-70%狭窄を有する30名の患者を対象とした。320列CTを用いて一回の息止め下に非造影冠動脈CTAと造影冠動脈CTA画像を得た。それぞれの画像に対して同一箇所の冠動脈内腔とプラークにROIを置いてCT値を測定した。内腔造影効果とプラークのCT値の変化の関係を調べた。内腔造影効果とプラークCT値の変化は強い正の相関関係を示した(r=0.62)。非造影冠動脈CTA上のプラークCT値と内腔のCT値(非造影および造影冠動脈CTA)は無関係であった。冠動脈プラークは血管内腔の造影効果の影響を受けることが臨床的に示された。非造影冠動脈CTAはプラークの性状評価に有用となる可能性があると考えられる。今後も症例を蓄積し研究を進めていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
冠動脈サブトラクションCTAの撮像方法の最適化を行うことができ、概ね撮像は順調に行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後最適化を行った撮像方法を用いて症例を蓄積し、冠動脈の狭窄率・プラーク評価、FFRCT評価を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は概ね順調であるが、進捗状況により物品費用、旅費が当初の予想と異なり、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
画像解析用処理システムおよびソフトウェア購入を行う。また学会・研究会への参加による情報収集および成果発表、論文作成およびその英文校正に使用する。
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