研究課題/領域番号 |
15K19805
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
宮川 聡史 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60624012)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 転移性脳腫瘍 / ガンマナイフ治療 / 全脳照射 |
研究実績の概要 |
転移性脳腫瘍の治療はがん治療のなかで患者の生活の質に大きく寄与するため、重要な治療の一つである。さまざまな領域において放射線治療だけでなく、手術治療、化学治療の発展に伴い予後の延長を認めており、いかに生活の質を維持ないし改善する事ができるかは重要である。本研究では神経症状の早期改善と腫瘍制御の向上を目的に腫瘍病変へのガンマナイフ治療と全脳照射の併用療法を多施設で行い、多数個の転移性脳腫瘍や髄膜播種を伴う症例に対して併用療法の有効性や安全性を前向きに検討し他の定位的放射線治療装置との優劣を予測するための基礎データとする事を目的とする。多施設間の研究において①転移性脳腫瘍の個数10個以上、②最大腫瘍径3cm以上-4cm以下、③髄膜播種を有する以上3つの条件のうちいずれかを満たす患者において臨床試験の説明を行ない、参加協力をえた症例を登録する。症例の登録は30例を予定しており、登録期間を2年、追跡期間を登録終了後1年を予定している。その後、primary endpointを全生存期間、secondary endpointsを腫瘍制御、神経死予防、KPS非悪化、MMSE(Mini Mental Status Examination)非悪化、新規病変出現、新規病変に対する追加放射線治療、白質脳症などを観察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年3月の時点で42症例登録が完了している。当初は2016年6月までに30例を予定していたが症例数は当初の目標を達成している。このため登録を2016年3月で終了した。現在は経過観察中である。 急性期の重篤な有害事象を認めていない。
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今後の研究の推進方策 |
本試験ではprimary endpointを全生存期間、secondary endpointsを腫瘍制御、神経死予防、KPS非悪化、MMSE(Mini Mental Status Examination)非悪化、新規病変出現、新規病変に対する追加放射線治療、白質脳症などを観察する予定であったが、MMSEについては当初より認知機能が悪く実施できない症例も複数ありこれを評価するのが困難となっている。 今後はデータ解析・検討及び学会発表や論文発表を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
統計ソフトの購入を検討しているが購入品を比較検討しておりまだ購入していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
統計ソフトの購入および学会への旅費等に使用予定。
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