研究課題/領域番号 |
15K19806
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
下平 政史 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60597821)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ハイドロコイル |
研究実績の概要 |
現在までの経験をもとに、コイル塞栓術の対象を検討し、プロトコールを作成した。さらに、これを研究協力施設のメンバーと会議にてブラッシュアップさせ、下記の通り、対象症例、プロトコールを決定した。 【コイル塞栓術の対象】CTにて肺動静脈奇形と診断された未治療の肺動静脈奇形、およびTR-MRAもしくは肺動脈造影にて再開通と診断された肺動静脈奇形とする。血管造影剤の禁忌患者、同意が得られなかった患者、MRI禁忌患者は除外する。 【塞栓術プロトコール】1 超音波ガイド下に一側の大腿静脈を穿刺し、肺動脈にアプローチする。2 血栓形成防止のため、ヘパリンを使用し、術中はACT200以上に保つ。3 術中は、右左短絡を介した肺静脈側への血栓の飛散防止を目的に、バルーンカーテンを使用し、肺動静脈奇形の流入動脈を血流遮断した状態で手技を行う。4 未治療病変に対する塞栓術:塞栓部は、肺動静脈奇形の短絡血管および流入動脈とする。短絡血管は拡張していることが多いため、この部分は通常のコイルにてフレームができるまで塞栓する。その後、流入動脈を末梢側よりハイドロコイルをなるべく密に留置する。ハイドロコイルは通常のコイルよりもやや高額であり、医療経済的観点より、最大使用本数は原則5本とするが、どうしても必要な場合は、追加使用は許容する。さらに流入動脈を通常のコイルにて血流停止が得られるまで塞栓する。5 再開通病変に対する塞栓術:既存のコイル内に可能な限りマイクロカテーテルをすすめハイドロコイルをなるべく密に留置する。最大使用本数は原則5本とするが、どうしても必要な場合は、追加使用は許容する。さらに流入動脈を通常のコイルにて血流停止が得られるまで塞栓する。 平成27年度は、8症例について、本研究への参加の同意が得られ、12病変の治療を行った。いずれも上記のプロトコールに沿って、治療を行い、現在、経過観察中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定とほぼ同様に症例集積は進んでいる。現在のところ、安全性にも問題はない。 1例のみ、患者の都合(転居)によりフォローアップができなくなったが、それ以外の症例は継続して経過観察中である。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き症例集積、および治療後の症例の経過観察に務める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より、参加する学会が増え、旅費が多くかかったため、次年度の予算を一部前倒しさせていただいた。その結果、残った助成金については、予定通り次年度の予算とする。
|
次年度使用額の使用計画 |
消耗品の物品購入、学会、会議の旅費として使用する予定である。
|