肺動静脈奇形に対するコイル塞栓術は、第一選択の治療法として広く施行されている。しかし、塞栓術後に留置したコイルの部分に血流が再発する“再開通”が大きな問題点であった。本研究では、血栓形成に依存せずに血管を閉塞可能なハイドロコイルを用いた塞栓術の有用性を検討した。37患者の57病変の肺動静脈奇形に対してハイドロコイルを用いた塞栓術を施行し、57病変のうち56病変においてハイドロコイルの留置に成功した。平均経過観察期間19ヶ月(2-47ヶ月)にて、いずれの病変においても再開通は認められず、肺動静脈奇形に対するハイドロコイルを用いた塞栓術は再開通の防止に有用であると考えられた。
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