研究課題
平成27年度は即時的血中プラチナ濃度測定とウサギモデルにおける骨盤内灌流療法モデルの作成およびブタモデルにおけるリアルタイム抗がん剤濃度コントロール法の確立を行う予定であった。即時的血中プラチナ濃度測定では、血中タンパクに抱合されていないフリープラチナ濃度の測定に時間がかかるため即時のプラチナ濃度計測法の確立が肝要である。今年度はまず血中プラチナ濃度測定を実際に行ったが、時間的制約および測定誤差が非常に大きいことから5分以内の即時的濃度測定法は確立し得なかった。またウサギモデルを使用して閉鎖循環回路作成のための予備実験を行った。閉鎖循環回路のため右大腿動静脈に4Frシースを挿入し骨盤部血管造影を行った。ウサギモデルにおける骨盤部血管造影は手技的に問題なく可能であり、両側内腸骨動脈の描出は良好であった。骨盤部閉鎖循環下灌流療法の作成は可能と考えられた。この時点で即時的血中プラチナ濃度測定法の確立がなしえていないため、資材や資源を投入する必要のあるウサギモデルによる実験は、余剰な出費となると考えられたため、閉鎖循環下骨盤内灌流療法のウサギモデル作成は不要と考えられた。また、H27 年度中に予定していたブタモデルにおけるリアルタイム抗がん剤濃度コントロール法の確立を行う予定であったが、こちらも同様に計測法の確立をなしえていないため、翌年度以降に持ち越すこととした。本手法の検討につき識者との面会や口頭における検討を学会や研究会に合わせて実施した。来年度以降は即時的血中プラチナ濃度計測について企業との会議や検体提供を含め引き続き検討や必要に応じ実験を実施していく。プラチナ濃度の即時プラチナ濃度測定法が確立した時点でブタモデルによるリアルタイム抗がん剤濃度コントロール法を作成すべく実験を行っていく予定である。
4: 遅れている
即時的プラチナ濃度測定法の確立に時間がかかっており、これが本研究のキーとなるため本研究は遅れている。本法の確立ができた時点でブタモデルによるリアルタイム抗がん剤濃度コントロール法の実験に移る予定であり、ブタモデルにおける通常の閉鎖循環下骨盤内灌流療法は既に実験済みであることから、プラチナ濃度測定と濃度コントロール法の確立に即座に移行できる体制である。
即時的血中プラチナ濃度測定法の確立のため、企業と検討を行っていく。場合によっては他企業の模索も必要になると考えられ、そちらも平行して調査していく予定である。プラチナ濃度測定法が確立し次第、ブラモデルにおけるリアルタイム抗がん剤濃度コントロール法の実験に移行する予定である。
概ね予算の予定通りに使用できた。少額の調整を行わなかったため、次年度に4401円が持ち越された。
予定通り使用していく計画である
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