研究課題
平成28年度は即時的プラチナ濃度計測について企業との会議や検体提供を行う予定であった。また即時的プラチナ濃度計測法が確立した時点ブタモデルによるリアルタイム抗がん剤濃度コントロール法を確立していく方針としていた。即時的プラチナ濃度計測法確立に先立ち動物実験での血中プラチナ濃度計測用のサンプルを作成する必要があり、ボストンサイエンティフィック社との共同研究を締結し、宮崎にあるボストンサイエンティフィック社の動物実験施設に於いて動物実験を行った。平成28年度中には即時的プラチナ濃度計測法の確立は困難であり、結果的に本年度予定されていたリアルタイム抗がん剤濃度コントロール法の実験的検証には至らなかった。しかしながら、本手法の検討について識者との面会や口頭における検討を学会や研究会に合わせて実施した。また、昨年時点で閉鎖循環下骨盤内抗がん剤灌流療法が先進医療Bとして認可され、それに伴い臨床試験でのプロトコルが確立し、閉鎖循環に用いる抗がん剤の剤型が液剤から粉末に変更となった。これを受けて、今後、本研究におけるリアルタイム抗がん剤濃度コントロール法の有用性はより高まったと考えられた。これらから平成28年度に予定されていた即時的プラチナ濃度計測によるリアルタイム抗がん剤濃度コントロール法のブタモデル実験には至らなかった。平成29年度は引き続き即時的プラチナ濃度計測法確立のため、企業との打ち合わせや識者との会合を重ねていく方針である。また、研究代表者である小野澤 志郎が平成29年4月より帝京大学へ異動となったため、動物実験施設の確保から行う必要があり、当初の計画より大きな予算が動物実験に必要となる可能性が考えられた。
4: 遅れている
即時的プラチナ濃度測定法の確立に時間がかかっており、これが本研究のキーとなるため本研究は遅れている。一方で、すでにブタにおける閉鎖循環下骨盤内抗がん剤灌流療法モデルは十分に実験済みであるため、即時的プラチナ濃度計測が可能となれば、動物実験に移行可能であるものの、所属施設の異動に伴い動物実験施設の確保が予算上困難となる可能性が考えられる。このため、動物実験を行える企業との連携、共同研究も合わせて行ってく必要が生じている。
本研究における現時点での課題は大きく2点あり、1点は即時的プラチナ濃度計測法の確立が当初予定していたものよりも困難であった点、2点目は動物実験施設確保が困難である点である。1点目は、今後他企業を含めて打ち合わせを行い、必要に応じて検体提供などを行い平成29年度中に本法の確立を目指す方針である。2点目については、予算上の問題が大きく関与しており、予算残額とも合わせて、動物実験施設のある企業と共同研究を行うことで、実験予算の低減を目指す方針である。
コンピューターソフトウェアを購入予定であったが、予算不足であったため、翌年度に持ち越すこととした。
コンピューターソフトウェア(endonete)を購入予定である。
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