研究課題/領域番号 |
15K19825
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
上野 裕 関西医科大学, 医学部, 助教 (90716458)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インターベンショナルラジオロジー(IVR) / ナノバブル / キャビテーション / ソノポレーション |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き実験を行った。 平成28年4月26日、ビーカー内でマイクロバブルを発生させ、ビーカー内外からの超音波照射を行うことで瞬時にマイクロバブルが消失することを確認した(各5回、計10回)。これにより、超音波の照射によりマイクロバブルが消失することが確認できた。 平成28年7月26日、前年度の実験同様に家兎を用いた実験を継続した。①体表エコーにより肝臓の描出が可能であることを確認した。②大腿部を切開し、直視下に大腿動脈を穿刺して血管造影用カテーテルを留置、X線透視装置を用いて血管造影の技術でカテーテルから肝動脈造影を施行できることを確認した。③肝動脈に留置した血管造影用カテーテルよりごく少量のナノマイクロバブルを注入し、肝動脈の描出が可能であることを確認した。④同様に少量のナノマイクロバブルを注入し、体表エコーを用いて肝動脈内にナノマイクロバブルが描出可能であることを確認した。⑤さらに高周波照射を追加することで体表エコーで観察したナノバブルが瞬時に消失(4月26日のビーカー実験と同様にバブルの圧潰、はすなわちキャビテーションを生じていると推察する)することを確認した。この時、エコー上肝臓の輝度上昇が確認された(これがソノポレーションを反映しした現象なのかは現在のところ不明である)。 平成28年9月13日、上記再現性を確認する目的で家兎1羽を用いて同様の実験を行った。この際、①~⑤の再現性を確認した。また、④、⑤観察の際に、ナノバブルは門脈内(注入は肝動脈)にも広がっていることが推察され、より広範囲に影響しているものと考えられた。 前年度の実験では技術的に再現性が確認できなかったが、本年度は技術的な改善もあり、実験の再現性が確認できた。この結果をもとに家兎での実験継続が可能であると判断し、平成29年度以降、生体内でのソノポレーションの確認を行うことを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに家兎肝動脈内でのナノマイクロバブルの観察に成功している。さらに超音波照射を行うことによりナノバブルが瞬時に消失することが確認できた。おそらく、バブルの圧潰を観察していると考える。バブルの圧潰はすなわちキャビテーションを生じていることになるが、ソノポレーションが生じているかは現在のところ明らかではない。 当初予定していた実験回数よりも使用動物数が少ないが、上記結果を得ることができた。再現性の確認に関して、さらに実験回数を重ねる必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度以降は家兎肝動脈にナノマイクロバブルを大量に注入し、高周波を照射、キャビテーションを生じさせる。この結果、生体内でソノポレーションが生じていることを明らかにする。現在までに冠動脈に注入したナノマイクロバブルが、体表エコーを照射することで瞬時に消失する現象を確認している。これはバブルの圧潰、すなわちキャビテーションを観察したものと推察する。この結果、生体内でソノポレーションが生じているかを明らかにするため、バブルなし、バブルのみ、バブル+高周波照射の3条件での比較実験を計画している。 同時に現在までに得られている家兎でのデータをフィードバックすることで、ファントムでの基礎データの収集を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度には動物実験は2回行っている。 当初の予定よりも早い段階で家兎を用いて肝臓へのナノバブルの注入、高周波超音波の照射によるナノバブルの圧潰、つまりキャビテーションが生じることを確認することができた。そのため、この現象の確認に至るまでに使用予定であった消耗品などの消費分の差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度以降は生体内でのソノポレーションを確認することを目的としている。 現在までに得られている家兎でのデータの再現性を確認する目的に本年度までの実験回数を増やす必要がある。そこから発展し、上記ソノポレーションを確認するために別途動物実験を行う必要がある。当初予定していたソノポレーション確認目的の実験に加え、再現性確認の実験に伴う消耗品の消費により、差額分の助成金の使用を余儀なくされると予想される。
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