平成30年度は前半で情報取集を行い、後半で動物実験を行った。 平成27年度、28年度に行ったビーカー内での実験と家兎肝動脈へのナノバブルの注入、体表エコー照射実験の結果から、生体内でのキャビテーション、ソノポレーションが生じることを確認、さらにナノバブルに用いる二酸化炭素による血管塞栓が生じないことを明らかにし、安全性を確認した。この結果から、生体内でキャビテーション、ソノポレーションが生じることが明らかになり、小動物での実験は終了して、これを発展させる形でより人体の環境に近い状況でソノポレーションを生じさせることを検討することとした。豚での実験はこれまでも当研究チームでの使用経験があり、手技的な問題はなく妥当と考えられた。 平成30年度前半は情報取集を行った。当初家兎の実験ではキャビテーション、ソノポレーションの確認のためにテクネシウム動注とSPECT-CTでの検出を計画していたが、当施設のSPECT-CTは小動物用のため、豚での実験では確認の方法を変更する必要があった。そのため、情報取集として、平成30年度前半で第77回日本医学放射線学会総会(平成30年4月12日から4月14日)、第47回日本IVR学会総会(平成30年5月31日から6月2日)など研究会、学会等へ参加し、最新の知見を得た。 平成30年度後半で実際の動物実験を行った。豚の肝動脈からナノバブルとシスプラチンを同時に動注し、肝表面から超音波照射を行った。その後、超音波を当てた部分と、当てていない部分の肝組織を切り出し、病理的に解析した。この結果、病理的には変化がなく、生体内でより人体に近い状況でもソノポレーションが発生したことが明らかになった。
|